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更新日:2021年1月8日
No.124/2020.12
利用者各位
師走の候、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。『ニュースレター』第124号をお届けします。
雑誌の評価指標として、クラリベート・アナリティクス社が毎年公表しているインパクト・ファクター(Impact Factor)があまりにも有名ですが、この指標は分野によって傾向が異なるため、分野を越えた比較は適切ではありません。
そこで、同社が提示している指標が「Journal Impact Factor Percentile」というもので、各分野内において、他のジャーナルに対する相対的な位置をパーセンタイルで示した指標です。0から100までの間の数値で表示され、数値が高いほどインパクトファクターの相対的な値が高いことを意味します。各分野のインパクトファクターのランキングにより正規化したこの指標は、分野をまたいでジャーナルの比較をすることを可能にします。
計算式は以下の通りです。
Journal Impact Factor Percentile = (N-R+0.5)/N
ここで、Nは当該分野に属するタイトル数、Rはインパクトファクターの降順ランクです。
例)「BLOOD」2019年の場合、HEMATOLOGY分野76誌中の1位ですので、(76-1+0.5)/76=0.99342(99.342%)となります。
複数分野に属している雑誌の場合は、各分野の同指標の平均となります。これを「Average Journal Impact Factor Percentile」と呼びます。
例)「JOURNAL OF PINEAL RESEARCH」の場合、3分野(NEUROSCIENCES、ENDOCRINOLOGY & METABOLISM及びPHYSIOLOGY)に属しています。
NEUROSCIENCES分野では272誌中5位ですので、(272-5+0.5)/272=98.346%
ENDOCRINOLOGY & METABOLISM分野では143誌中6位ですので、(143-6+0.5)/143=96.154%
PHYSIOLOGY分野では81誌中3位ですので、(81-3+0.5)/81=96.914%
3者の平均は、(98.346+96.154+96.914)/3=97.138%となります。
「BLOOD」と比較する場合は、99.342と97.138を比べることになります。
「Average Journal Impact Factor Percentile」はインパクトファクターと同じく、InCites Journal Citation Reports(外部サイトへリンク)でご覧いただけます。
このように違った視点から雑誌を眺めることも興味深いかと思います。
『ニュースレター』第120号でもご案内した「学生用指定図書」として推薦された本が、続々と図書館に納品されてきました!
各教室の先生方のご協力により、様々な分野における学生のうちに読むべき本、講義の参考になる本を選んでいただきました。お忙しい中、誠にありがとうございました。
選定いただいた資料は、図書館に随時配架されていますが、その中から一部を展示にてご紹介!
2015年に日本医学ジャーナリスト協会賞優秀賞を受賞した樋口直美氏の新刊「誤作動する脳」や、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏も絶賛したという青山学院大学法学部の個性派教授による「あぶない法哲学:常識に盾突く思考のレッスン」など話題の本も展示。もちろん教養本以外にも、看護・医学各分野の入門書・専門書・ガイドラインなど多岐にわたってご推薦いただいています。今回展示しきれなかった本は図書館HPの新着EBOOK・図書リストからも確認できますので、展示と合わせてぜひご利用ください!
今年度のエネルギーセンターによる暖房実施期間は下記のとおりです。実施期間中であっても、外気温度が高い場合(概ね15℃以上)は、稼働いたしませんのでご留意ください。また、無人開館中はエネルギーセンターからの暖房は稼働していないため、図書館設置のエアコンのご使用をお願いします。2階は書庫へ降りる階段の壁際(南北2カ所)、3階は各部屋の入口付近にリモコンがございます。電源を入れ、使用後はお切りください。
令和2年11月21日(土曜日)~令和3年3月31日(水曜日)
(一次暖房期間:11月21日~11月30日・3月21日~3月31日までは、8時~10時、16時30分~17時15分までがエネルギーセンターによる暖房の稼働時間となります。)
*2階メインデスクにはブランケットをご用意しております。ぜひ、ご利用ください。
年末年始の無人開館日および休館日は、下記のとおりです。無人開館日は、スタッフによる通常サービスは行っておりません。また現在、終日施錠中のため、職員証、学生証あるいはゲストカードを必ずご持参ください。ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
通常開館日(無人開館への切替、17時):12月25日(金曜日)
無人開館日:12月28日(月曜日)~30日(水曜日)、1月4日(月曜日)~5日(火曜日)
休館日:12月31日(木曜日)~1月3日(日曜日)
下記の通り新規登録いたしました。URLにアクセスしていただければ全文閲覧する事ができます。
引き続き図書館ではリポジトリに登録する論文を募集しております。何卒皆様のご協力のほど宜しくお願いいたします。
問い合わせ先は、機関リポジトリ担当、和田(内線2392)、木下(内線2292)までお願いいたします。
11月分の新着EBOOK・図書リストを作成しました。
新型コロナウイルスによる経済停滞、少子高齢化、社会保障費の増大、際限のない国債発行・・・日本の将来について語ると、暗い話題ばかりで嫌な気分になりませんか?そんな時にオススメなのが、この一冊です。
著者の江崎禎英氏は、官僚として通産省や大蔵省で勤務された経験をお持ちで、旧薬事法の改正など、通常では「有り得ないこと」を成し遂げてこられた人物です。
全四章で構成されており、第一章、第二章では、高齢化や国民皆保険制度、社会保障制度等について鋭く考察されています。
第三章では、官僚として「奇跡」を成し遂げてこられた経験談について、そして最終章は「世界が憧れる日本へ」と題されている通り、今後の日本が目指す方向について提言されています。
日本の国民皆保険制度は世界に誇るべきものであり、異論を唱える方は少ないでしょう。ただし、自分の利益が減少するとなると、話は別です。いわゆる「総論賛成、各論反対」状態であり、現行の社会保障制度改革が進まない一因とも考えられています。
しかしながら、時間は残酷です。2060年代には人口が8600万人代まで減少すると想定されています。他人事として放置せず、私たち一人一人が問題の本質に向き合う必要があります。この本をきっかけに、日本の将来について少し考え始めてみませんか?
「この日本を、世界が憧れる素晴らしい国として、次の世代に引き継ぐための取り組みを今から始めましょう。私たちの未来は、私たち自身が選ぶのです。」(結語より抜粋)(C)
*2階閲覧室南側単行本[請求記号367.7-Esa]に配架
あっという間にもう師走。今年も残りわずかとなりました。皆さまにとって今年はどんな一年だったでしょうか。どの人にとっても、胸を痛めるような出来事の多い苦しい一年だったかもしれません。来年は少しでも明るい兆しが見えてくるよう願いつつ、今できることを継続し精一杯取り組みながら、年末を乗り切りましょう。来年も変わらぬご利用、ご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
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