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前立腺癌に対する小線源治療実績が2000例を突破
~西日本最多実績~

 本学附属病院泌尿器科および放射線治療科では、前立腺癌に対するヨウ素125密封小線源を用いた小線源治療実績が2024年7月に2000例を達成しました。

 本邦では前立腺癌新規症例が毎年約9万人以上発生しており、男性では罹患率1位の癌(トップ4は前立腺癌 胃癌 大腸癌 肺癌)です。転移の無い限局性~局所進行前立腺癌に対する標準治療は、手術または放射線治療であり、手術は手術用支援ロボットを用いたロボット補助下前立腺摘除術が標準治療として普及してきました。一方、放射線治療には体外から放射線を照射する外部照射と前立腺組織内から照射する組織内照射があります。外部照射は画像誘導併用・強度変調放射線治療が標準治療であり、重粒子線や陽子線を用いた粒子線治療、照射回数を減らす寡分割照射などいろいろな治療法が開発され普及しています。 一方、組織内照射としてヨウ素125密封小線源を用いた低線量率小線源治療は2003年から本邦で保険適応となり、本学では2004年7月に近畿地方で最初に開始し、2024年7月初めに治療実績が2000例に到達しました。

 本邦では組織内照射として、ヨウ素125を用いる低線量率小線源治療と、イリジウム192を用いる高線量率小線源治療があり、低線量率小線源治療における他の治療法(手術、外部照射)と比較したアドバンテージとしては、3泊4日の短い入院期間と1-2時間程度の短い治療時間が挙げられます。また、低~中間リスクにおける低線量率小線源単独治療の成績は手術と同等であり、長期成績は外部照射に優る点が長所として挙げられます。一方、高リスク症例においては、ホルモン治療、外部照射と小線源治療を組み合わせるトリモダリティ治療が手術や外部照射を凌駕する非再発率を示すことが挙げられます。

図1図2

 また、前立腺の隣接器官である精嚢に浸潤する局所進行前立腺癌では、手術単独による根治は難しく、再発後には救済放射線治療、救済ホルモン治療が必要となることが多く、この症例群に対する有効な治療法の確立が臨床課題となっています。本学泌尿器科および放射線治療科では、2018年から前出のイリジウム192を用いた高線量率小線源治療(ホルモン治療、外部照射併用トリモダリティ治療)を開始しています。これまでに120例以上の治療が終了しており、今後の長期成績の解析が待たれます。

プレスリリース(PDF:387KB)

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