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早稲田大学理工学術院総合研究所の塩田達也 次席研究員、大阪大学大学院生命機能研究科大学院生の高橋一徹さん(博士前期課程、研究当時)、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 吉森保 特任教授、および奈良県立医科大学医学部生化学講座/オートファジー・抗老化研究センター 中村修平 教授らの研究グループは、モデル生物の線虫を用いて、細胞内分解システム、オートファジー関連因子の一つであるATG-18がオートファジーとは独立した機能で生殖細胞欠損による寿命延長に必須であることを発見しました(図1)。

図1研究成果概要
線虫を含む様々な生物種において、生殖と寿命の間には負の相関が見られ、生殖細胞を除去すると寿命が延長することが知られています。この寿命延長にはオートファジーの活性化が必要であることが報告されていましたが、個々の組織におけるatg遺伝子の役割は十分に調べられていませんでした。今回、研究グループは、線虫の主要組織で個別にオートファジー遺伝子を抑制する網羅的解析を行い、神経と腸におけるatg-18の抑制のみが寿命延長を消失させることを見出しました。さらに、ATG-18が糖新生酵素であるPCK-2と相互作用し、腸においてオートファジーとは独立にPCK-2の発現を制御することで寿命延長に寄与するメカニズムを明らかにしました。今後、ATG-18やそのヒト相同遺伝子WIPI 1/2の「新たな機能」の理解がさらに進むことで、生殖と寿命のバランス制御の仕組みの理解、健康寿命延伸や加齢性疾患の治療への応用につながる可能性があります。
本研究成果は、2026年3月29日に英国科学雑誌「Aging Cell」にオンライン掲載されました。
雑誌名:Aging Cell
論文名:Autophagy-independent function of ATG-18 is essential for gonadal longevity in Caenorhabditis elegans
著者名:Tatsuya Shioda, Ittetsu Takahashi, Makoto Horikawa, Taiichi Osumi, Takayuki Shima, Akiyo Yamauchi, Kayo Nakamura, Taeko Sasaki, Tatsuya Kaminishi, Harunori Yoshikawa, Miyuki Sato, Hidetaka Kosako, Tamotsu Yoshimori*, Shuhei Nakamura* (*責任著者)
DOI:10.1111/acel.70454
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