ここから本文です。

不適合報告
Q1 不適合の定義を教えてください。 
A1

不適合とは、「規則、研究計画書、手順書等の不遵守及び研究データの改ざん、ねつ造等をいう。」とされています。

 

Q2 どのような不適合が「重大な不適合」になりますか。 
A2

「重大な不適合」とは、臨床研究の被験者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものとされています。例えば、選択・除外基準や中止基準、併用禁止療法等の不遵守や、以下のようなものが該当します。

<日本臨床試験学会による例示>

1)適格性に関する重大な不適合

  • 適格基準を満たさないと知りながら故意に(偽って)登録した。
  • 必要なインフォームドコンセントを行わずに患者登録をし、特定臨床研究を実施した。
  • 適格性を判断するための原資料が確認できていない。(同意書紛失も含む)

2)研究計画書に関する重大な不適合

  • 登録患者のリスク増大に影響がある違反、又は試験結果の信頼性に影響を及ぼす違反。
  • 重大な適格基準・除外基準違反、重大な研究計画書に対する逸脱。
  • 患者の安全性を脅かす中止基準違反。
  • 重大な併用禁止薬違反・禁止併用療法等の不遵守。
  • 故意又は系統的な研究計画書規定の不遵守など。

3)その他の重大な不適合

  • 委員会の承認前又は病院長の承認前及び jRCT 公表前に研究を実施した。
  • 試験継続意思に影響を及ぼす可能性がある情報を提供せずに試験を継続した。
  • 研究不正(データの捏造、データの改竄等)と判断されるもの。
  • 個人情報漏洩又は人権侵害により登録患者への重大な影響が認められるものただし、臨床研究の被験者の緊急の危険を回避するため、その他医療上やむを得ない理由により研究計画書に従わなかったものについては含みません。

重大な不適合に該当するかどうかは、研究責任医師の判断となります。

 

Q3 当院で不適合が発生しました。どのような手続きが必要ですか。 
A3

被験者保護の対応を速やかにし、委員会事務局へ報告してください。
また、管理者へ報告してください。
多機関共同研究の場合は、各機関の研究責任医師の情報提供を行ってください。
不適合事案の内容によっては、リクルート等の中断が指示される場合があります。

「不適合」の場合は、定期報告時の報告となりますが、「重大な不適合」の場合は委員会での審査が必要です。必要書類を作成し、委員会事務局へ提出してください。
研究の継続に関する審議を行います。必要書類は、こちらを参照してください。

審査結果通知書(承認)発行後、管理者の許可を取得してください。
多施設共同研究の場合は、各実施医療機関の管理者の許可の取得を依頼してください。
リクリート等を中断している場合は、管理者の許可を得てから研究を再開するようにしてください。

 

Q4 他機関で不適合が発生したと報告を受けました。どのような手続きが必要ですか。 
A4

当該機関の研究責任医師に、速やかに、被験者保護の対応をするよう依頼してください。
不適合事案が発生した機関の研究責任医師に、自機関の管理者へ報告するよう依頼してください。
研究代表医師は、各機関の研究責任医師へ、不適合事案についての情報提供を行ってください。不適合事案の内容によっては、リクルート等の中断が指示される場合があります。

「不適合」の場合は、定期報告時の報告となりますが、「重大な不適合」の場合は、委員会での審議が必要です。必要書類を作成し、委員会事務局へ提出してください。
研究継続に関する審議を行います。必要書類は、こちらを参照してください。

審査結果通知書(承認)発行後、管理者の許可を取得してください。
多施設共同研究の場合は、各実施医療機関の管理者の許可の取得を依頼してください。
また、リクルート等を中断している場合は、機関の管理者の許可を得てから研究を再開するようにしてください。

 

Q5 重大な不適合報告が委員会で承認されました。jRCTへの申請は必要でしょうか。 
A5

実施計画に関するものではないので、jRCTへの申請は不要です。
ただし、不適合事案が起こったことにより変更申請等を行い承認された場合等、実施計画の変更があった場合は、jRCTへの申請が必要です。